
美容室の集客に使う広告費を削減する方法とは?広告費の相場や削減ポイント
接客を伴うビジネスは、集客がなければ経営が成り立ちません。特に美容室は来店してもらわないとビジネスにならないため、集客にかなりのコストを割いているのではないでしょうか。
しかし集客のための広告費にコストをかけ過ぎてしまえば、利益率は下がってしまうでしょう。
そこで、今回は一般的な美容室でかかる広告費の相場をご紹介したうえで、いかに広告費を削減しつつ、集客を上げていけるのかについてお伝えします。
目次[非表示]
- 1.美容室の広告費の相場は?
- 2.美容室の広告費を削減したいときに見るべきポイント
- 2.1.美容ポータルサイトの契約を見直す
- 2.2.有料広告の配信を見直す
- 3.広告を考えるときに知っておくべき「LTV」について
- 4.広告費の削減にもつながる重要な施策とは?
- 4.1.ポイントカードなどを活用してリピーターを獲得する
- 4.2.サービスの満足度を高める
- 4.3.Googleマイビジネスの活用
- 4.4.SNSの活用
- 4.5.・Twitter
- 4.6.・Instagram
- 4.7.・LINE
- 4.8.自社のWebサイトや予約システムの活用
- 5.広告費の削減には注意点も
- 6.まとめ
美容室の広告費の相場は?
自分たちの美容室でかけている広告費が高いのかどうかを知るには、まず美容室の広告費相場を知らなければなりません。美容室にかける広告費は売上の10~15%が一般的です。
例えば月の売上が300万円の美容室であれば、30~45万円程度になります。
この相場を超えて広告費をかけているようであれば、できるだけ早く削減を検討すべきでしょう。
またこの範囲内であっても、広告費が利益を圧迫していれば、できるだけ切り詰めつつ、効果的な集客方法を考える必要があります。
美容室の広告費を削減したいときに見るべきポイント
広告費を抑えるためといって、やみくもに今使っている広告を止める、減額するなどをすれば集客が一気に落ちるリスクも考えられます。そこで広告費の削減をしたいときに見るべきは、「美容ポータルサイトの契約」「有料広告の配信」の2点です。
それぞれのポイントを説明します。
美容ポータルサイトの契約を見直す
美容ポータルサイトとは、美容室、エステサロンなどの美容サービスの紹介、関連情報の掲載などを行っているWebサイトです。
代表的なものとしては、ホットペッパービューティーやOZmall、楽天ビューティなどが挙げられます。
2020年5月、ヘアログが全国の20~50代男女100人を対象に行った調査によると、全体の60%が美容室・ヘアサロンを知る主なきっかけとして、「ヘアサロン検索・予約サイト」を挙げています。
参照:「美容室・ヘアサロン選びのきっかけや決め手は?|HAIRLOG」
これだけ集客力のある媒体を見直したら、お客様がこなくなってしまうのではと思われるかもしれません。しかし一つの媒体に依存し過ぎることは危険なうえ、これらの美容ポータルサイトの掲載料金は高額であるといった問題もあります。
そこでまずは自分たちの美容室に美容ポータルサイト経由で来店されるお客様がどれだけいるのかを把握しましょう。その上で費用対効果を算出します。
もしほかの広告に比べて費用対効果が悪いようであれば、プランの変更を検討してみてもよいでしょう。
有料広告の配信を見直す
有料広告とひと口にいっても、その種類は多様です。地域のフリーペーパーや新聞の折り込みチラシといった紙媒体もあれば、検索広告、SNS広告などネット媒体の広告もあります。
これらもすべて費用対効果を洗い直してみましょう。
ネット媒体の広告は集客効果が明確に数字として表示されるため、その数字を参考にどの広告に注力するか、どの広告をどれだけ減額するかを定期的にチューニングします。
紙媒体の広告は、来店されるお客様にアンケートをとり、その結果で効果測定をしましょう。ほとんど効果がないようであれば、掲載の中止や削減を検討します。
広告を考えるときに知っておくべき「LTV」について
広告費の削減を考える際、知っておくべきものとしてLTV(ライフタイムバリュー)があります。
企業もしくは店舗が一人のお客様から生涯にわたって得られる利益を表す「LTV」を知れば、より効果的な広告費の活用が実現するでしょう。
例えば客単価を8,000円として、一度来店しただけで2回目以降は来なくなってしまうお客様と、そしてリピーターとなり一年間に3回来店されるお客様、それぞれのLTVを算出すると次のようになります(利益率20%として計算)。
・一度しか来店されなかったお客様
8,000円(客単価)×20%(利益率)×1(来店回数)=1,600円(LTV)
・一年間に3回来店されるお客様
8,000円(客単価)×20%(利益率)×3(来店回数)=4,800円(LTV)
この例で見てもわかるようにLTVが高ければ高いほど、美容室の利益も高くなります。そしてLTVを高められれば、やみくもに新規顧客の獲得を目指さなくても利益を上げられるため、自然と広告費の削減が可能になるのです。
また削減した広告費をより費用対効果の高い広告に集中させれば、効率的に新規顧客の獲得が可能になるため、結果としてさらなる売上向上の可能性も高まります。
広告費の削減を考える際は、必ず自分たちの美容室に来られるお客様のLTVを算出しましょう。新規顧客獲得にどれだけの広告費用をかけられるのか、その限度額が見極められます。
そのうえでどの広告を減らし、どの広告を増やすかを検討するとよいでしょう。
広告費の削減にもつながる重要な施策とは?
広告費削減を実現させるうえで、LTVを高めることが重要であるとわかったところで、実際にLTVを高めるにはどのような施策が考えられるのでしょう。ここでは主なものとして5つの施策を紹介します。
ポイントカードなどを活用してリピーターを獲得する
LTVを高めるには初めて来店されたお客様に、「また次もここに来たい」と思ってもらう必要があります。そのための施策として代表的なのが、ポイントカードの活用、店舗商品の割引購入サービスなどです。
「この美容室に来れば良い商品をお得に入手できる」「複数回来店すればさらに安くサービスを提供してもらえる」と思ってもらえれば、リピーターになってもらえる可能性も高まります。
美容ポータルサイト経由で来店されるお客様の多くは、クーポン目当てであることがほとんどです。
そのため、「次の来店で通常料金となる」「特別サービスがない」となれば2回目以降の来店確率は下がってしまうでしょう。
そうした意味でもポイントカードの配布や店舗商品の割引購入サービスなどは、次もこの美容室に来ようという動機付けの一つとして効果的です。
サービスの満足度を高める
どれほど低価格でサービスを提供したり、割引購入サービスを用意したりしても、「美容室の雰囲気が悪い」「美容師が無愛想」「サービスの質が低い」などと思われてしまえば、お客様は二度と来店してくれません。
多額の広告費を使い集客を実現できたとしても、サービスに対する満足度が低ければリピーターは生まれず、広告費を使えば使うほど赤字が増えてしまいます。
「他店舗と同じくらいの価格なのにサービスの質が高い」「店内の雰囲気が良く美容師の態度も良い」など、お客様が思っている以上のサービスで満足度を高められれば、自ずとリピーターになってもらえる可能性も高まるでしょう。
そのためには広告費を使って集客をする前にサービスの質を向上させる施策に予算をかけなくてはなりません。
美容師教育、技術指導、店舗内の雰囲気向上などを優先し、そのうえで集客を考えます。集客はあくまでサービスの質向上ありきで進めて行くことが重要です。
Googleマイビジネスの活用
低コストかつ集客につながるツールを活用することも広告費削減に効果を発揮します。
そのなかでもおすすめの一つが、「Googleマイビジネス」です。
Googleマイビジネスとは、ユーザーがGoogleを使って通常検索やマップ検索を行った際、Googleマップ上に自分たちの店舗を表示させるサービスです。
例えば、「渋谷駅 美容室」と検索した際、検索結果の上位に地図と店舗情報が表示されるため、ユーザーの目に留まりやすく、集客につながる可能性が高まります。
また、Googleマイビジネスを活用するメリットは、地図上に自分たちの美容室を表示させるだけではありません。店舗情報として休業日や営業時間、口コミ表示のほか、検索結果から直接予約が可能になるなど、店舗運営者にとってさまざまなメリットがあります。
そしてGoogleマイビジネスをおすすめする最大の理由は、これだけのサービスを基本的には無料で活用できる点です。
もちろん競合の状況によって必ずしも検索結果上位に表示されるとは限りませんが、登録するだけで上位表示の可能性が高まるため、必ず登録されることをおすすめします。
SNSの活用
低コストで集客を実現するツールとして、Googleマイビジネスと並んでおすすめなのがSNSです。Googleマイビジネス同様、アカウント取得は無料でできるため、上手く活用すればコストを抑えつつ集客が実現します。
ここでTwitter、Instagram、LINEを例にそれぞれの特徴と主な集客施策を見てみましょう。
利用者以外でも閲覧ができるうえ、「リツイート」「いいね」などの機能によって拡散性が高い点が特徴です。
自店舗をフォローしていないユーザーとも気軽にコミュニケーションがとれるため、多くの企業、店舗が利用しています。
おすすめの施策はフォローを前提としたプレゼント企画で、プレゼントの内容によっては認知度向上に加えて高い集客効果が期待できるでしょう。
写真・動画の共有を目的としたSNSで、比較的女性の利用者が多いため、美容室として活用するのに適しています。
ヘアスタイルや店舗内の雰囲気を上手く写真で伝えられれば、ブランディング効果が期待できるでしょう。
また動画を使って美容師を紹介すれば、親近感を演出できるため、初めてのお客様でも来店しやすくなる効果もあります。
・LINE
LINEはチャットツールのため厳密にはSNSではありません。しかし通常のSNSのように、「1対多」ではなく「1対1」でのやりとりが可能なため、より密なコミュニケーションが可能です。
また公式アカウントを取得すれば、問い合わせや質問に対しボットを使った回答ができるので、コミュニケーションの効率化も実現します。
Instagramのようにヘアスタイル写真を投稿するのもおすすめですが、リッチメニューを使った予約システムへの誘導を活用するのもLINE活用のポイントです。
自社のWebサイトや予約システムの活用
無料ではありませんが、自店舗のWebサイトに予約システムを設置するのも効果的です。美容ポータルサイトのほうが集客力はありますが、予約を取るたびに手数料がかかるため、店舗側にとっては集客すればするほど負担となります。
予約システムの設置は手数料負担軽減策として高い効果を発揮するでしょう。
また、自店舗に設置する予約システムであれば、期間限定ポイントや自店舗Webサイト予約特典など自店舗で自由にさまざまなサービスを付加できます。
コストを抑えつつもお客様にサービスを提供できる点は、予約システムのメリットといえるでしょう。
広告費の削減には注意点も
ここまで広告費削減につながる施策をいろいろと紹介してきました。しかし注意しなければならない点が一つあります。それは、広告費を削減し過ぎてしまい集客が一気に落ちてしまう点です。
そこで広告費削減を実施する際に注意すべき点を説明します。
必ず各施策の費用対効果を測定したうえで行う
「美容室の広告費を削減したいときに見るべきポイント」でも触れたように、広告費を削減する際は、単純に金額を減らすのは得策ではありません。
必ず現在実施している施策の費用対効果を一つひとつ測定しましょう。
その結果、「一人集客するたびに赤字になっている施策」「広告費をかけているがまったく集客できていない施策」などがあれば、その部分に関してのみ、中止もしくは減額をします。
逆に費用対効果の高い広告については、ほかで削減した分をこちらにまわして増額することも一つの方法です。
仮に月額30万円の広告予算があったとして、効果のない広告を止めて20万円に抑えれば10万円の削減が実現しますが、それだけで集客が上がるわけではありません。
それよりも減らした10万円を効果の高い広告に集中させ、同じ額を使いながらも集客を2倍、3倍にする方法を検討したほうが結果として高い売上を実現します。
まとめ
美容室にとって集客は継続的な店舗運営を実現するうえで欠かせないものです。しかし無駄に広告費を使い、集客に結びつかなければ意味がありません。
広告費が適切に活用できているかを確認するためにも、必ず定期的に費用対効果の確認をしましょう。
また、広告費を抑えつつも集客を実現するには、GoogleマイビジネスやSNSなどの無料ツールを活用することもおすすめです。
店舗の雰囲気を上手く伝え、口コミが広がるように仕掛け、低コストで集客実現を目指しましょう。
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