
美容室のチラシ集客を成功させる秘訣とは?ポイントまとめ
チラシは販促活動の方法としては非常にスタンダードなもので、地域を絞り個人店のレベルでも実施可能です。
しかし、ただ思いつきでチラシを作り配布しても効果は発揮できず、きちんと目的と表現方法を検討したうえで、実施しなければならない方法でもあります。
さらにデジタル時代の今は無料でできる販促方法があるのに対し、チラシは印刷や配布にそれなりのコストがかかるものです。それだけに、できるだけ良い結果を得られるようなチラシ配布を実施したいものです。
今回はそんなチラシによる美容室の集客の概要と手法についてご説明をしていきます。
目次[非表示]
- 1.チラシによる集客を行うメリットとデメリットとは?
- 2.チラシ作成の前に押さえておくべきこと
- 2.1.ターゲットを明確に定める
- 2.2.店舗に他と違う強みがあるか
- 2.3.チラシの目標や配布数を決める
- 2.4.配布エリアを決める
- 2.5.チラシ配布の頻度を決める
- 2.6.チラシを配る手段・配布者を決める
- 3.【チラシ集客のコツ】反応率UPのために押さえておきたい内容
- 3.1.ターゲットの興味を引く「キャッチコピー」
- 3.2.ターゲットに合わせた「メニュー」
- 3.3.店舗が持つ「強み」
- 3.4.店舗の雰囲気やヘアアレンジが伝わる魅力的な「写真」
- 3.5.「キャンペーン内容」をわかりやすく伝える
- 3.6.チラシに「クーポン券」をつける
- 3.7.「地図」はわかりやすく
- 4.チラシ施策の良し悪しはどう判断する?
- 5.まとめ
チラシによる集客を行うメリットとデメリットとは?
チラシ集客の特徴は、こちらから情報を積極的に届ける「攻め」の営業手法にあります。
美容ポータルサイトへの掲載など、自店舗を見つけてもらう「待ち」の営業手法とは異なるため、表現するべき内容も変わってくるのです。
チラシのメリットとしては、配布地域を細かく指定できる点が挙げられます。店舗に通ってもらえる可能性のあるエリアを細かく選定することで、効率的にチラシを配布することができます。
さらに、チラシであればインターネットを使わない層に対してもアプローチが可能です。
一方でデメリットとして挙げられるのが、インターネットを使った集客よりもコストがかかることです。
また、エリアが限定できるとはいえ、ターゲットとなる属性(性別・年齢層など)までは絞ることができない点もデメリットといえるでしょう。
チラシ作成の前に押さえておくべきこと
次に、実際にチラシを作成し配布する前に、どのようなポイントに注意を払えばいいのかについて説明していきます。
チラシに限らず集客の際にはまず、どのようなお客様にリーチしたいのか、ターゲットを絞ることが大切です。そして、お店の強みを自覚し、それをアピールする内容をチラシ内に盛り込むことも必要となります。
必要なプロセスについて、順を追ってご紹介します。
ターゲットを明確に定める
チラシを使って集客するにあたって重視しなければならないことは、どのような人に向けてアピールするのか、ターゲットを明確に定めておくことです。
性別や年齢、生活圏、家族構成、どのような仕事をしているのかなど、詳細にターゲット像をイメージすることが必要です。これは、配布エリアやチラシの内容を決定する際に活かされます。
もし具体的にイメージしにくいのであれば、既存客の中でも優良顧客となっている方をイメージしてみるとよいでしょう。
こんなお客様がたくさん来てくださると嬉しいという方を雛形として、集客したいと考える客層のターゲットを具体化してください。
店舗に他と違う強みがあるか
チラシでアピールするべきポイントは、自店舗にどのような強みがあるのかについてです。
競合店と比較して自分のお店はどのような強みを持っているのか。これがアピールする内容の「核」となります。ここがブレてしまうと、自店舗を魅力的に見せることができません。
もし、まだ他店に対する自店のアドバンテージ、強み、差別化できるメリットなどがはっきりしていないのであれば、まずはその点をはっきりさせることが必要です。
その上で、その強みをチラシの紙面上でどう伝えていくかを考えるわけです。
チラシの目標や配布数を決める
チラシによる宣伝を実施するためには、チラシの目標や配布数を決めなければなりません。
配布数を決める際は、まずチラシを配布した結果として、どのくらいの数のお客様に来店してもらいたいかという数値から設定します。
条件によって変動しますが、チラシ配布による反応率の目安はおおよそ0.1~0.2%といわれています。この数値をベースにして考えると3万枚配布すれば反応率0.1%で30人が来店。10万枚配布で100人が来店という結果が期待できます。
出典:ポスティングに集客効果がない?結果を出すには徹底したデータ分析が必要な理由 https://haifu-standard.jp/column/posting-not-effective/
この数値とチラシ配布にかかるコストなどをもとにして、配布数を決定してください。
ただし効果的にチラシの結果を出すためには、そのほかの条件も影響しますので、次に説明するエリアや回数なども検討して、最終的な配布数を決定しましょう。
配布エリアを決める
次に決めるのがチラシを配布するエリアです。これは基本的にはお店の周辺の商圏となるでしょう。しかし駅近くのお店であれば、沿線の駅のいくつかまで商圏が広がっているかもしれません。
エリアに関しては配布の業者や広告代理店などから情報をもらい、十分に検討する必要があるでしょう。
チラシ配布の頻度を決める
チラシは一度配布してそれで終わりにしてしまうと、非常に効率が悪くなってしまう可能性があります。一度限りのチラシは手に取った人の印象に残りにくく、複数回目にして初めてきちんと認識してもらえるようになるためです。
そのため理想をいえば月に1回、数ヶ月にわたってチラシの配布を継続したいものです。
一般的にチラシが効果を発揮するのは、合計10万枚を配布してからともいわれています。
そのため、もし商圏の人口が3万人程度であったとしたら、これを3回以上配布すれば10万枚を超え、ある程度効果測定できるボリュームとなるのです。まずはこの数値を目安にしてチラシ戦略を立ててみましょう。
それぞれの商圏においてどの程度の配布枚数なのかについては、チラシの広告代理店が情報を持っていますから、上記の数値を念頭に置き、効果的な配布枚数と回数を確認してみましょう。
チラシを配る手段・配布者を決める
チラシの配布は新聞折込チラシのほかに、各宅の郵便受けに直接入れるポスティングという方法もあります。
新聞折込は、新聞の中に折り込まれて配達されるチラシです。ポスティングは業者が個人宅の郵便受けに配るものと、スタッフが個別に訪問し手渡しに近い形で配布する方法があります。
最近では新聞をとっている年齢層は中高年が中心となっていますから、新聞折込をする場合はターゲットの年齢層は上のほうになるということも覚えておきましょう。
年齢層が高い分経済的にゆとりがある可能性も高いため、ターゲット年齢層が高く、高めの客単価を狙う店舗におすすめです。
ポスティングは幅広い層に対して配布できますが、その分ターゲットを絞った配布は難しくなります。
スタッフが配布するスタッフポスティングであればターゲットをある程度決められますが、その分手間がかかるため、大量のチラシ配布には向きません。
【チラシ集客のコツ】反応率UPのために押さえておきたい内容
チラシ集客において最も重要なのは、チラシの内容です。
不特定多数の方に配布するため、その内容が魅力的でないと反応を得ることが難しくなってしまいます。
チラシの中身をどうしたらよいのかわからないという方のために、反応率を上げるためのチラシ作りのステップをご紹介しましょう。
ターゲットの興味を引く「キャッチコピー」
キャッチコピーのポイントは「お悩み解決」です。新しい美容室を探している方は、必ず現在の美容室に何らかの不満を抱えているはず。
その不満や自分のヘアスタイルに関する悩みを解決してくれる美容室があるのなら、そこに行ってみたいと思いますよね。
そんなお悩みや不満をキャッチコピーとしてチラシで表現することで、新規客の興味を引き、来店を促すのです。さらにチラシを読めば、その問題をどう解決してあげられるのかがわかるようになっていれば、より完璧でしょう。
ターゲットに合わせた「メニュー」
チラシに必ず掲載しておきたい内容の一つにメニューが挙げられます。そのお店の価格帯がわからない状態では、訪問するかどうかの判断が下せないためです。
そこで、チラシにはお店の代表的なメニューの料金を記載しておきましょう。店舗のメインターゲットに向けたメニューも、しっかりと載せておくようにしてください。
店舗が持つ「強み」
どれだけたくさんチラシを配布しても、その内容が伝わらなければ全く意味がありません。それでは、伝えるべき内容とは一体どのようなものなのでしょうか。
それは自分のお店の持つ「強み」です。競合店と比べて、自分のお店に来なければならない理由は何か。それが強みとなります。
他店舗と比べたときの強みがどこにあるのかを明確にし、その部分をチラシ内で表現するようにしましょう。
店舗の雰囲気やヘアアレンジが伝わる魅力的な「写真」
美容室のイメージをアピールするにあたって重要なのが、魅力的な写真です。
どのようなヘアアレンジができるのか、言葉で説明するより一枚の写真で伝えられるように、とっておきのものをチラシに掲載しておきましょう。
そのほかに、まだ来店したことがない方が安心でき、ぜひ行きたいと思わせられるように、店舗の雰囲気が伝わる写真を入れることも大切です。
「キャンペーン内容」をわかりやすく伝える
チラシを配布する際には、できれば何らかのキャンペーンを実施しておくのがベストです。
チラシの紙面上では、実施するキャンペーンの内容やメリットをわかりやすく伝えることを心がけてください。
その際はキャンペーンのネーミングもポイントとなります。お客様の目を引き、行ってみたいと思えるようなキャンペーン名と内容をチラシで伝えれば、集客も期待できるようになるはずです。
チラシに「クーポン券」をつける
チラシは印刷物ですから、クーポン券との相性がバッチリです。
チラシの中にクーポンを入れておけば捨てられずに保管してもらえる可能性が高まり、目に留まるチャンスが増えます。
これが、来店の可能性を高めることにつながるのです。
「地図」はわかりやすく
チラシの中にはお店の位置を表す地図を入れることが基本です。
もちろん商圏の中で誰でもわかりやすい位置にあれば問題ないかもしれませんが、地図がわかりにくいことでせっかくのチャンスを逃してしまうこともあり得ます。
デザイン性の高い地図を使ってもよいのですが、その場合でもお客様視線に立って確認し、初めて訪れる人にもわかるような地図を掲載しましょう。
チラシ施策の良し悪しはどう判断する?
チラシによる集客効果は、同条件で配布した場合であっても、毎回同じ結果が出るとは限りません。
そのときの条件やタイミングによって数値は変動しますから、一度だけ試して結果が出なかったからといって、すぐにやめてしまっては本当に効果が出るかどうかはわかりません。
基本的には最低3回は実施して、その総合結果を見て費用対効果をチェックするようにしましょう。
費用対効果をチェックする際は、さきほどもご紹介した一般的な反応率の相場を参考にしてみてください。
反応率の相場
0.1%・・・△ 平均的な数値
0.2%・・・○ まずまずの成果で再度試す価値あり
0.3%・・・◎ かなり良い結果
となります。
ちなみに、新規客がチラシ経由かを判別するために、
・クーポンの配布
・「チラシ持参で◯◯プレゼント」といったキャンペーンの実施
・来店時のアンケートで「来店のきっかけ」を質問
などの方法をとるようにしましょう。
では、このパーセンテージでどのような費用対効果となるのでしょうか。
仮に10万枚の折込チラシを配布したとすると、反応率が0.1%だとしたら100人の新規客が来店していることになります。
新規客の平均客単価が6,000円だとしたら、100x6,000=60万円の売上です。10万枚の折込チラシの経費は地域や業者によりますが、平均して50万円程度といわれています。よって、0.1%で10万円の利益となります。
実際は手間や人件費などがかかりますから、10万円の利益ではやや赤字といったレベルです。リピート客に育成するなどの対策を同時に行い、複数回の来店を獲得することで、やっとチラシ施策は黒字化となります。
まとめ
デジタル社会の現在、チラシというアナログな手法は案外見落とされがちですが、まだまだ活用の余地があります。
特に新聞折込は中高年のターゲットに対しては有効で、新聞をとっている家庭は比較的お金に余裕があるといわれているため、優良顧客に育てることも期待できるでしょう。
ただし、チラシはある程度のコストが必要となりますから、そのコストをきちんと回収するために、目的を明確にし、チラシのデザインや表現内容を十分吟味して、効果を発揮できる内容にしてください。
さらにチラシは単発で結果を出すことが難しいため、自分の商圏に対して複数回配布してその結果を分析してみましょう。
かかったコストに対してどのくらい収益を増やせたかを計算することも大事ですが、チラシからリピート顧客獲得につながるなど継続的に売上を生み出せるのであれば、目先の収益だけにとらわれず長期的な利益を得る手法としてチラシを活用することもよいでしょう。
販促費用にムダはありませんか?